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トリイシリーズの中で私が一番好きなのはこの本です。
自閉症の男の子ブー、読字障害の女の子ロリ、憎しみのとりこになっている少年トマソ、
そして12歳で妊娠してしまった少女クローディア。
あらゆるクラスからはみ出してきた、4人の生徒との交流を描いた作品です。
この本は、いわゆる奇跡の物語ではありません。
著者トリイとの出会いが、その後の人生に大きく影響を与えたというのは、まぎれもない事実ですが、
それは著者が、悲惨な生活から救い出す絶対的な力を持っているということではないのです。
確かに著者トリイは、いつでも全力で子供達のために戦っています。
ですが、1人の人間の力には限界があり、トリイ自身も悩み、傷つきながら前に進もうと努力しています。
トリイも本の中で書かれています。
その場その場を精一杯過ごすこと。
瞬間、瞬間を少しでも良い方向へ持っていくことが自分の仕事だと。
トリイシリーズの魅力は、なんといっても著者の「人間くささ」だと思います。
私にはあまりなじみのない、特殊教育の現場。
そういう場所で働く人たちは、どこか”特別の人”というイメージがあります。
悪い意味ではなく、こういう現場には果てしなく強い精神力、忍耐力が要求されると思います。
そういう環境で働くことに生きがいを感じる人たちには、
ちょっと大げさですが、何か神がかり的な精神力が備わっているような気がしてしまうのです。
ですがこの本の中には、恋人との別れや、普段の何気ない日常、
自分の弱さなども書かれています。
こういうところに親しみを感じ、それが本の魅力に大きく貢献していると思うのです。
トリイの本を始めて読んだ後に、まず私が思ったことは、
「トリイと友達になりたい(笑)」でした。
この本を読んでいると、本当にどんなことでも打ち明けられるような、
すごく仲の良い友達になれそうな気がしてくるから不思議です。
そして、この本を好きな最大の理由は、登場人物の1人であるロリです。
彼女はどんなに自分がつらい立場でも、人を思いやる心を忘れません。
人の心配をしているような場合ではない時でも、自分の周りの大切な人が幸せかどうか、
いつも心配して気を配っています。
もちろん子供ですので、泣いたり笑ったり、感情の起伏はかなり激しいです。
ですが、それを上回る天性の優しさを彼女は持っているのです。
大人でもなかなかこんな人はいません。
大人だからこそ、いないのかもしれませんが。
この本は、このシリーズの中では比較的ほのぼのした雰囲気です。
読んでみたいけど、あまりにも残酷な内容はちょっと、と思われる方には
読みやすい内容かもしれません。
機会があれば、ぜひ読んでみてください。

