2006年03月23日
 ■  東京タワー
東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~
リリー・フランキー

扶桑社 2005-06-28
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実に久しぶりに、読み応えのある素晴らしい本に出会えたというのが、率直な感想です。

基本的に図書館愛用家の私は、読みたい本は買うより先に借りる方が多いでのです。参考書や実用書など、いつも手元に置いておきたいものは購入しますが、それ以外の本は最近ではめっきり買わなくなっていました。

でもこの本には何かしら惹かれるものがあり、あっさり購入。結果、購入して良かったと心から思っています。きっとしばらく経ってから、また何度も読み返すことになりそうです

この本の著者、リリー・フランキーさんを私は、ココリコに出ている人、くらいの認識しかありませんでした(汗
実は今でも何を生業とされている方なのかイマイチわかってはいないのですが、そんなことはまったく問題にならないほど、この本は素晴らしかったです。

リリーさんの幼少時代、中学、高校、そして大学進学のために上京、そしてその後が時系列に沿って書かれています。文章のそこかしこにリリーさん独特のユーモアが散りばめられていて、「ただの悲しい物語」とは一線を画しています。

ちなみに、アマゾンのレビューなどを見ていると、「涙が止まりませんでした」とか「読みながら涙した」などといった言葉が並んでいますが、残念ながら私は結局最後まで泣きませんでした(^^;

感動はしているのですけどね。どうも私の涙腺のツボは押さなかったようです。
でも本当に良い本だと思います。
ベストセラーリストに名を連ねているのも納得です。
是非みなさまにも読んで頂きたい1冊ですね。

そういえば映画化の話もあるようですが、私は映画は観に行かないと思います。
私の心の中で、私の感じたイメージを大切にしたいのです。映画だと、一方的に映像を与えられてしまうので、想像の余地がありません。私は私のイメージをそのまま持っていたいと思っています。

それが本の、最大の魅力だと思うから・・・

 

投稿者 Naomi : 21:01 | コメント (3)
2006年03月04日
 ■  サム -あたたかな奇跡-
サム―あたたかな奇跡サム―あたたかな奇跡
ジュニア,トム ホールマン Tom,Jr. Hallman 鈴木 彩織

学習研究社 2003-03
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私達がごく当たり前だと思っていることが、実はすごく感謝するに値するものなのだと、改めて思わされます。

サム・ライトナーという一人の少年の物語。
「形成異常」という難病を抱えた少年の、痛々しいまでの闘いをつづった記録です。

いわゆる「先天性奇形」といわれるもので、サムの顔左半分は大きく膨れてしまっています。彼を見る人々の目はそこに集中し、心無い言葉をかけられることもしばしば。
「かっこ良くなりたいわけじゃない。ただもう少しふつうの顔になりたいだけ」
そのサムの言葉が、全てを物語っています。

治療法もない、危険すぎて手術もできない、そんな八方塞りの状況に思わず同情をしてしまうのですが、サムと、サムを取り囲む人たちの優しさに触れることができて、読み進むうちに本当に奇跡を感じます。
地元の新聞や、この本を出版するにあたっての取材に全てサム自身がOKを出しているのですが、その理由はただひとつ。

「本当の自分を知ってもらいたいから」

特別ではなく、どこにでもいる一人の少年の言葉を聞いてほしいのだと、サムは言っています。

私達は、日々いろんな思いを感じながら暮らしています。泣いたり、笑ったり、怒ったり。すばらしい1日もあれば、あまりいい1日ではないこともあります。ですが、それら全てはものすごく大切な、貴重な宝物なのだと、実感せずにはいられません。

この本は、トム・ホールマンというジャーナリストの方が、3年もの月日をかけて取材を重ね、書き上げた本です。手術室での医師の会話、看護士たちの心の葛藤、そして両親とサム本人の思いが重みを持って伝わってきます。

決して同情を集めるための本ではなく、ただ純粋に、ここに今生きているサム・ライトナーという一人の人間の、生きることへの闘いを描いた本なのだと、私は思います。

 

投稿者 Naomi : 21:03