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重くて、切ない。
読み終わった後の素直な感想です。
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強盗殺人の罪で服役中の兄、剛志。弟・直貴のもとには、獄中から月に一度、手紙が届く…。
しかし、進学、恋愛、就職と、直貴が幸せをつかもうとするたびに、「強盗殺人犯の弟」という運命が立ちはだかる苛酷な現実。人の絆とは何か。いつか罪は償えるのだろうか。犯罪加害者の家族を真正面から描き切り、感動を呼んだ不朽の名作。
Amazonより引用++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
映画化もされていて、ご存知の方も多いと思います。
私はもともとあまり映画には興味がなくて、テレビなどで話題になっていても軽くスルーしています(^^;
そんな私がこの読むきっかけになったのは、決して映画化されて話題になっていたからではなく、会社の同僚が貸してくれたからです。
どんな内容なのかほとんど知らないままに読み始めたのですが、読み出すと止まらなくなり、そのまま3日くらいで読みきってしまいました。
率直な感想ですが、重いです。とにかく重い。
テーマがテーマだけに、それは仕方ないのですが、主人公が幸せをつかみかけた途端に、それを突き崩す事件が持ち上がり、がらがらと音を立てて幸せが崩れていく、そんなことの繰り返しです。
最終的に主人公は、兄の事件を自分なりに受け入れていくのですが、これがまたなんとも言葉では表せないようなラストシーンなのです。
感動して涙が止まらないという作品ではありません(私にとってはですが)。
なんだか、軽はずみに涙を流してはいけないような気にさせられるのです。
犯罪者家族に対する、差別や偏見。
表向きは何事もなく、逆に親切に接しているとも言えるのですが、そこには「関わりたくない」という目に見えない壁が歴然と存在しています。
自分には関係ない世界として読んではいますが、いつ自分の身に起こってもおかしくないことだとも言えます。そうなった時、私は毅然としていられるだろうか。そんなことを考えさせられます。
余談ですが、私は本を読むと、必ず最後の解説にも目を通します。
この作品の解説で取り上げられていたのは、ジョン・レノンの殺害事件。
ジョン・レノンの映画を作るときに、ジョン役の俳優さんのオーディションが行われたそうです。最終的に、ある1人の俳優が決定したのですが、なんとその俳優さんの名前が、ジョン・レノンを殺害した犯人と同じ名前だったそうで、妻であるオノヨーコさんが、断固反対して、この方は映画には出演されなかったそうです。
本の中に、ジョン・レノンの「イマジン」が頻繁に出てくるので、解説でこのエピソードを書かれたのだと思うのですが、これはこれで、やっぱり考えさせられます。
この時の俳優さんにはまったく非はありませんけれど、オノヨーコさんの気持ちもとても理解できる。「正しくある」ということは、そう簡単にはいかないのだなと、改めて思いました。
重くはありますがこの作品、ぜひ読んでみていただきたいと思います。
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実に久しぶりの更新となりましたが、今日は私の大好きな作家、宮本輝さんの著書、「ドナウの旅人」のご紹介です。
最近はそうでもないのですが、以前の私は、ほとんど日本人作家の本を読んでいませんでした。特に理由があるわけではないのですが、外国の作家が書いた本の方が好きだったのです。
私が初めて宮本輝さんの本を読んだのは、当時勤めていた会社の同僚の影響。
男性の同僚だったのですが、彼が宮本輝さんが好きでよく読んでいて、その本を借りて読んでから、すっかりはまってしまいました。
中でも好きなのがこの「ドナウの旅人」。
どんなストーリーが簡単に書こうと思ったのですが、どうもうまく言葉がみつからないので、本に実際に書かれている物語の紹介文を引用させていただきます。
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夫を捨てて、突如出奔した母・絹子。
「ドナウ河に沿って旅をしたい」という母からの手紙を受け取った麻沙子は、かつて5年の歳月を過ごした西ドイツへ飛ぶ。その思い出の地で、彼女が若い男と一緒であることを知った。
再開したドイツの青年・シギィと共に、麻沙子は二人を追うのだが・・・。
東西ヨーロッパを横切るドナウの流れに沿って、母と娘それぞれの愛と再生の旅が始まる。
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旧共産圏の国々も旅をして回っているので、当時の歴史も知ることができ、あぁ時代は変わったんだなぁと、感慨深くもなったりします。
私は日本から出たことがないので、そういった歴史を肌で感じたことはありませんが、日々移り変わる世界情勢なんかも垣間見ることができます。
ですがこの本は、旅人である4人を主体に物語が展開していきます。そこに、そういう歴史的背景がうまく溶け込んで、読み始めたら止まらなくなるような絶妙なストーリー展開です。
序盤は、結構謎が多いのですが、そこが解き明かされている過程は、早く、早くと、どんどん次を読みたくなってなって、本の世界へ次第に引き込まれていきます。
宮本輝さんは有名な作家さんなので、ご存知の方も多いと思いますが、この本は特におすすめなので、機会があればぜひ読んでみてください。
「読書の秋」という言葉もありますが、読み始めたら止まらなくなること請け合いです。


