2006年11月23日
 ■  手紙
手紙手紙
東野 圭吾

文藝春秋 2006-10
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重くて、切ない。
読み終わった後の素直な感想です。

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強盗殺人の罪で服役中の兄、剛志。弟・直貴のもとには、獄中から月に一度、手紙が届く…。
しかし、進学、恋愛、就職と、直貴が幸せをつかもうとするたびに、「強盗殺人犯の弟」という運命が立ちはだかる苛酷な現実。人の絆とは何か。いつか罪は償えるのだろうか。犯罪加害者の家族を真正面から描き切り、感動を呼んだ不朽の名作。

Amazonより引用++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

映画化もされていて、ご存知の方も多いと思います。
私はもともとあまり映画には興味がなくて、テレビなどで話題になっていても軽くスルーしています(^^;

そんな私がこの読むきっかけになったのは、決して映画化されて話題になっていたからではなく、会社の同僚が貸してくれたからです。

どんな内容なのかほとんど知らないままに読み始めたのですが、読み出すと止まらなくなり、そのまま3日くらいで読みきってしまいました。

率直な感想ですが、重いです。とにかく重い。
テーマがテーマだけに、それは仕方ないのですが、主人公が幸せをつかみかけた途端に、それを突き崩す事件が持ち上がり、がらがらと音を立てて幸せが崩れていく、そんなことの繰り返しです。

最終的に主人公は、兄の事件を自分なりに受け入れていくのですが、これがまたなんとも言葉では表せないようなラストシーンなのです。

感動して涙が止まらないという作品ではありません(私にとってはですが)。
なんだか、軽はずみに涙を流してはいけないような気にさせられるのです。

犯罪者家族に対する、差別や偏見。
表向きは何事もなく、逆に親切に接しているとも言えるのですが、そこには「関わりたくない」という目に見えない壁が歴然と存在しています。

自分には関係ない世界として読んではいますが、いつ自分の身に起こってもおかしくないことだとも言えます。そうなった時、私は毅然としていられるだろうか。そんなことを考えさせられます。

余談ですが、私は本を読むと、必ず最後の解説にも目を通します。
この作品の解説で取り上げられていたのは、ジョン・レノンの殺害事件。

ジョン・レノンの映画を作るときに、ジョン役の俳優さんのオーディションが行われたそうです。最終的に、ある1人の俳優が決定したのですが、なんとその俳優さんの名前が、ジョン・レノンを殺害した犯人と同じ名前だったそうで、妻であるオノヨーコさんが、断固反対して、この方は映画には出演されなかったそうです。

本の中に、ジョン・レノンの「イマジン」が頻繁に出てくるので、解説でこのエピソードを書かれたのだと思うのですが、これはこれで、やっぱり考えさせられます。

この時の俳優さんにはまったく非はありませんけれど、オノヨーコさんの気持ちもとても理解できる。「正しくある」ということは、そう簡単にはいかないのだなと、改めて思いました。

重くはありますがこの作品、ぜひ読んでみていただきたいと思います。

 

投稿者 Naomi : 2006年11月23日 19:31